ねこたび札幌

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指差し会話帳の使い所

指差し会話帳は、その名の通り指をさすことでコミュニケーションをとれる本です。

日本語・イラスト(写真)・外国語+フリガナで構成されています。

 今回は指差し会話帳について考えてみました。

 

 私と指差し会話帳の出会い

私が学生だった頃、バイト先の飲食店に一人でアメリカ人がやってきました。

めちゃくちゃビビリました。

なぜなら私は英語が苦手だったからです。

勉強したところで、英語だけは何故か記憶できない残念な脳みその持ち主でした。

簡単な文法すら理解できず、単語の暗記も破滅的。

受験のための英語講習では先生に「カス」と罵られ、合格報告では「なんでお前が受かったんだ?」と不思議がられる存在。

苦手なものからは逃げる性分なので、大学では必要以外の英語の授業は取らずに受験勉強で培われた僅かな英語力は消滅しています。

「どうせ英語を使う事なんてない」

とたかを括って過ごしていたところに、彼は登場しました。

とりあえずは挨拶です。

どう見ても観光客だけど、日本語が話せる可能性だってあるのだ。

「いらっしゃいませ~お一人様ですか?」

「★※*☆△~?」

残念、日本語は話せないようです。

それでも私には奥の手がありました。

店内には、アメリカを放浪した経歴があるオーナーがいたのです。

まだお客が少ない夕方から珍しく店に居て、カウンターで雑誌を読んでいる人こそ英語が話せる我らがオーナー!!

とりあえず、身振りでアメリカ人男性をオーナーの側へ案内してメニューブックを渡しました。

さぁオーナーよ出番だ、会話をするがいい。

期待を込めてオーナーを見つめました。

オーナーはおもむろに立ち上がり、タバコをポケットにしまい言いました。

「ちょっと出てくるわ」

 

ちょっと意味が分かりませんが、オーナーは雑誌を残し立ち去りました。

残された私と、キッチン担当の社員さんは軽くパニックです。

「英語話せる?」

「いや、話せないです。いけます?」

「むり」

そんな会話でお互いに接客を押し付け合おうとしていました。

「★※*☆△~?」

「!???」

私のほうがポジションが近かったため、近づいてみました。

注文が決まったようで、指差しと単語でオーダーを確認。

お酒だけの注文でした。

お酒を出してしまうと気まずい沈黙が残りました。

「★※*☆△~?」

「!!!!!!」

会話をご所望のようですが、てんぱりすぎてて最早単語を拾うことも出来ません。

「あーあいきゃんのっとすぴーくいんぐりっす」

「★※*☆△~あんだすたん?」

「の、のぉぉー」

誰か、誰かいますぐ英語のできる常連さん来てー!!

店内の空気がますます重くなってきた頃、彼はバックパックからおもむろに本を取り出しました。

読書する気になったのか?と少し安心していると、彼は本をコチラに差し出してきました。

中を開くと、写真やイラストに加えて、英語と日本語が並んで書かれていました。

あ、すごい!賢い本だ。

ぺらぺらとめくると、交通機関や食べ物、飲み物、ありとあらゆる単語が網羅されています。

社員さんも覗き込み、2人ですご~い!!と楽しみました。

中にはお辞儀や名刺などのビジネスシーンに関するページも含まれていて、そんなに言葉が通じないのに仕事したら支障があるんじゃないかと無駄な心配をしたりもしました。

 

そして彼と本の中の食べ物ページからどれ食べました?とか梅ぼしはダメだったという会話が始まりました。

そのうち、本を通さず単語を拾って会話をするようになり、彼が3週間の休暇を取り、九州から北海道まで縦断旅行をしてきた事、彼が観光してきた場所、普段している仕事など色々聞きました。

ほんの1時間程度の滞在だったと思います。

思ったことを伝えられないし、分かってあげられないもどかしさはありましたが取り敢えずは、「あの本考えた人天才だな」という思い出になりました。

自分で買ってみた

時は流れ、友人とタイ旅行に行くことに。

貧乏だった私は、ヤフオクで安くタイのガイドブックを買おうと検索しました。

そこで見つけたのが「指差し会話帳タイ」

旅の指さし会話帳1 タイ

あ、これってあの時のアメリカ人が持っていたやつ!?

価格が安かったこともあり即入札、無事落札できて私の手元に届きました。

これでタイに行っても意思疎通バッチリに違いない。

(ガイドブックは定価と変わらない値段だったので普通に本屋で購入)

 

1日半のツアーを終えて、いざ自由行動。

・露天のおばちゃんに指を指して見せるも、見向きもされない。

 

・フードコートでショーケースを指差し「ディスワンプリーズ」が通じない。

女の子らしい身振りの男の子に本を広げてみせようと思ったが、そもそもショーケースが邪魔で距離があって文字が見える気がしない。

「あお」(タイ語でコレという意味。指差し会話帳を眺めて覚えてた)

男の子、こくこくと頷き会計レジへ。

 

・郊外エステにてドライヤーが無い時、ドライヤーを調べたくてもカバン預けてて手元にない

 

・目当ての単語のページを探すのに時間がかかるので、待ってもらうのが申し訳ない

 

あれ、これって使えない本じゃない?

意思疎通の手助けにならんぞ?

結局は英語が通じる人にはカタコトの英語で、通じない人には身振りと「あお」「こっぷんかー」「さわでぃっか」のタイ語で終わった。

もう一回買ってみた

マレーシア旅行のために、もう一度買ってみた。

詳しくは別の記事書いたのだけど、一言で言うと「マレーシアは英語で十分」だった。


tripneko.hateblo.jp

 ただ、マレーシアの観光地や食べ物・文化を知る上では「食べる・見る・買う、お薦めスポットはここ!!」という内容のよくある旅行ガイドブックよりも情報が網羅されていて役に立ちました。

指差し会話帳を使う事の難しさ

指差し会話帳のネックは、伝えたいページを開くのに時間がかかること。

どこに何が載っているか記憶するほど熟読したら時間の短縮にはなると思う。

 けど実際にそれって現実的ではないわけで、そんなもの覚えるくらいなら単語を1個でも多く覚えた方が有益だと思う。

 

さらには、相手にも覗き込んでもらわなければいけない。

たとえば街を歩いていて、言葉の通じない外国人に声をかけられたとする。

相手が本を指さしている。

まぁ時間があるから覗き込んでみる。

 

パターン1

地名や施設名などを指さしている

ざっくり方向を指さしてあげる、簡単な英語で教えてあげる、方向が一緒だったら連れて行ってあげる

って、この使い方なら地図やガイドブックで十分なわけで、なんなら地図だと指さしてルートを教えてあげられる。

 

 

パターン2

食べ物(ラーメンとか牛丼とか)を指している

パターン1と同じ。

ガイドブックなら店も限定されているだろうし、余計案内しやすいと思う。

 

パターン3

貴方の趣味はなんですか?を指している

(・・・やばいやつ?宗教?)

 

パターン4

砂糖を指さしている

ん?んんんんん?んん~?????

 

ってなわけです。

具体的な質問の場合はガイドブックや地図の方が役に立つんです。

 

これでもって、YESとかNOレベルの返答なら双方に通じるでしょう。

 

これが英語が通じない層だった場合、片言でも通じないわけです。

 

口頭での対話ができないので本を覗き込む、本を借りて答えが書いてあるページを探す、指さして返すという行動になります。

 

これ、道端で声かけられた外国の方に対してやってあげられるかというと結構厳しい。

まず時間がかかる。

休みの日でふらふらしてて、特に予定が無いっていうなら良いでしょう。

 

次に、載っているかどうかも分からないメインは外国語の本で、単語を探す。

言葉通じない環境下で、相手は貴方を頼っています。

馴染みのない言葉が載っている本の中から、お目当ての日本語を探す。

どこに載っているのか…、そもそも載っているのか?

本をめくる手に汗がにじんでくることでしょう。

 

自分が聞かれる側で考えても大変なわけで、外国に行ったときに相手が同じように思っても仕方ないわけです。

さらには目当ての単語を見つけるまでどこまで付き合えるか?付き合ってくれるのか?って事です。

親切に向こうから声をかけてくれる方っていますが、あんまりにも長くなると申し訳ない気持ちでいっぱいになってきますよね。

それも会話であれば、相手の表情や声色をうかがえますが、指さしの場合本をめくってる時間の方が長くなるわけで…。

これを次々にお客さんが来るお店なんかでやった日にゃ、他のお客さんにまで迷惑が及ぶ可能性もあるんですよね。

お国柄やお店によっては店員さんが付き合ってくれない事もあるでしょうねぇ。

活用するのは中々難しいです。

 

指差し会話帳が役立つシーン

・言葉が通じない

・簡単な単語で出来ないやりとりをする

・本を挟んで時間がかかる

 

こんな状態を続けられるのは、片方が会話を求めている状況ではなく、お互いが求めているまたは受け入れる体制でなければ無理です。

つまりは、観光の最中とかではなく個人対個人としての会話の時に役立つという事です。

地元の人しかいない飲食店で、常連さんが構ってくれるとかそういう状況です。

 

指差し会話帳のマレーシアを例にとると、観光にお馴染みの

「○○へ行きますか?」

「いくらですか?」

というフレーズも載っていますが

「宗教は何ですか?」

「あなたの趣味は何ですか?」

「○○が好きです」

という、観光ではまず使わないフレーズもずらりと並んでいます。

この本を、活用できるのはどう考えても観光フレーズではなく会話フレーズです。

この外国人と言葉は通じないけどコミュニケーションとってやるぜぇ~という状況でこそ生きる本なんです。

 

私が最初に「指さし会話帳」の存在を知った時もまさしくそんな感じですね。

地元の人しかいないバーにふらりと入って、小一時間言葉も通じないのに会話して返っていったあの火山好きさん。

彼は指さし会話帳をキッチリ活用していました。

 

私が、観光がメインだった旅行に持っていった指さし会話帳はほぼ出番がなく終わっています。

コラムを読むとか、簡単な単語を覚えるのには役立ちましたが「指さし」では使っていません。

 

次回、機会があれば地元の人しかいないような飲食店でがっつり指差し会話帳を活用してみたいです。